

〜幸之助流 叱り方・育て方〜
最近、企業・団体のセミナー・研修会等で「松下幸之助の人づくり」についての話を求められることが増えてきました。
ご高承のように、幸之助が、その経営において最も重視したのは、人づくりでした。「物を作る前に人を作る」が一貫した信念で、いかに良い商品を作るか、いかに良いサービスを提供できるかは、まず立派な人間を作らなければ実現できないと、事あるごとに訴えていました。
最近の子供は、家庭でも、学校でも、地域社会でも、言葉遣いや挨拶等のマナー、その他、人としての道に外れたことをしても、厳しく叱責されたり、指導をうけることが少なくなりました。その結果として、社会人になって初めて企業等で厳しくしつけざるを得なくなっています。
企業に入社して、初めて上司に厳しく叱られた、お得意様に叱られた、それがショックで会社を辞めたいという新人が増えているそうです。その結果、最近では、企業でも叱ることに躊躇する上司が増えてきたという話をよく聞きます。
幸之助は生前、基本方針に外れた仕事の進め方をしたり、的確な報告、連絡、相談を怠ったりした時は、目から火花が散るほど厳しく叱ったようです。しかし不思議なことに当時叱られた人たちで、恨みを持った人は殆どいなかったと聞いています。当資料館には、幸之助に育てられる過程で、厳しく叱られた時の思い出を語った映像が数多くありますが、それらを視聴してもそのことが覗われます。
そこに、幸之助流の叱り方・育て方の極意があるように思います。
下記に、私なりにまとめた「幸之助の叱り方・育て方」のポイントをご紹介いたします。
<幸之助流叱り方・育て方の十ヵ条>
@O・J・T(ON THE JOB TRAINING )が基本
A60%の可能性があれば思い切って任せる
B叱る時は全力で
C叱った後のフォロー が大事
D私心を持って叱ることは厳禁
E人情の機微・ユーモアを忘れない
F基本を外れると厳しく叱る
G大きな失敗は叱らず、慰め励ます
H部下の長所を7割、短所を3割で見る
I聞くことを7割、話すのを3割で
ご参考にして頂ければ幸いです。
皆様のご来館をお待ちいたしております。
財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 川越森雄