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館長からのメッセージ

老舗に学ぶ - 何を守り、何を変えるべきか
2010年12月

 2010年は、多くの韓国の経営者の皆様が、日本の企業研修の一環として、弊資料館に来館されました。

 その中のある研修団の皆さまの研修テーマは、「日本における長寿」の研究でした。

 その意味は二つあり、一つは、日本人はなぜ長生きなのかを、主として日本人の食生活の観点から研究すること、そして二つ目は、なぜ日本には、長寿企業が多いのか、ということでした。

 日本には、100年以上続く、いわゆる老舗が、22000社あるとのことです。これは世界的にみても、圧倒的な数のようです。とりわけ、京都には、100年以上続く老舗が1000社を超えると言われています。

 京都になぜ老舗が多いのかということについては、よく京都商法の特質として、「信用第一に、無理をせず、細く長く」ということが言われています。

 また、京都人は、1200年もの永い間、都が続いたことから、「続く」ことに最大の価値をおいてきたということもあるようです。

 しかし、京都の老舗の歴史を見てみると、創業時の商売を現在まで続けている場合もありますが、むしろ、時代の変化の中で、その業態、業種を変えながら、連綿と続いてきた老舗も多いようです。

 松下幸之助の経営哲学の一つに、「日に新たな経営」というものがあります。

 「世の中は、常に変化し続けている。とりわけ昨今の変化のスピードは速い。だから、世の中の変化にどう的確に順応していくかが大事。変化に順応出来ない企業は衰退、死滅せざるを得ない」と言っていました。

 しかし、一方で、「どんなに世の中が変化しても、変えてはいけないものがある、特に経営の基本理念、商人としての正しい道、お客様大事の心などは、時代がどう変わろうともしっかり守り続けていかねばならない」と言っていました。

 ますます加速するグローバル化の進展、価値観の多様化の中で、ともすれば、何を守り、何を変えるべきか判断に迷うことが多い日々ですが、歴史の風雪に耐えて、永く続いてきた老舗に学ぶことで、これからの経営を考えるヒントが見つかるように思います。

 弊資料館では、今日の激しい変化の中で、「何を守るべきか」、そのヒントをご来館者にご紹介いたしております。

皆様のご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 川越森雄

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