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館長からのメッセージ

感謝の心を持つ
2011年6月

 最近、「ありがとう」「ありがとうございます」「ありがとうございました」という言葉をよく耳にします。聞くと大変気持ちの良いものですね。特に、若い人たちからも聞くことができ、大変嬉しくなります。この「ありがとうございます」は、感謝の気持ちを表した誰にでも言える言葉です。

 松下幸之助の歩みは、苦難の連続といっても過言ではありませんでした。 昭和2年の金融恐慌、昭和4年の世界恐慌という未曾有の不況に「生産は半減するが、従業員は解雇してはならない。給与も全額支給する。そのかわり店員は休日を返上して販売に全力をあげること」を指示し窮状を乗り切ったこと。 昭和20年の敗戦後、GHQから七つの制限を受け会社解体の危機に瀕した時、社長を失ってはならないという声があがり、労働組合が中心となってGHQや政府当局に陳情して回り、指定解除に至ったこと。数え上げれば切りがないほど労使共に数々の危機を乗り切ってきました。

 松下幸之助は、昭和53年、松下電器創業六十周年式典で、「いまから六十年前に松下電器を創業したときは、わずか三人だった。六十年後の今日では、六万人を超える人数になっている。関係会社を入れると十五万人に達している。そういう人たちがみんな松下電器で仕事をしているかと思うと、私としては夢のようである。ゼロからこれだけのことができたのである」と述べて、演壇から歩み出て、深々と三度頭を下げ、「どうもみなさんありがとう」と付け加えました。頭を下げるたび大きな拍手が起こり、会場は感動の渦に包まれました。今まで労苦を共にしてきた社員への心からの感謝の気持ちを表したものでした。

 松下幸之助は感謝の大切さを、松下電器の「私たちの遵奉すべき精神」に明示しています。

<私たちの遵奉すべき精神>
一、感謝報恩の精神
感謝報恩の念は吾人(ごじん)に無限の悦びと活力を与うるものにして此の念深き処
如何なる艱難(かんなん)をも克服するを得真の幸福を招来する根源となるものなり

 感謝報恩の気持ちを強く持てば、すべてが喜びとなり、心も明るく、また他とも調和し、共存共栄といった姿を生み出すことができると、松下幸之助は考えていました。 この感謝報恩の心は、私たちが仕事をしたり人づきあいをするうえで、最も大切な心構えと言えるのではないでしょうか。それを言葉にした「ありがとう」を、もっともっと声に出して感謝の気持ちを伝えあっていきたいものです。

皆様のご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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