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館長からのメッセージ

“笑顔”の景品
2011年7月

 物を買いに店に行きますと、どれを買っていいか迷うほどたくさんの商品が並んでいます。日本の商品だけでなく海外のものも豊富に品揃えされており、店同士の競争は熾烈なものがあるようです。さらに、旅館やホテル、銀行や証券会社といったようなサービス、金融業においても似たようなサービスシステムや金融商品をもって激烈な競争が行なわれております。そして、多くの店が販売強化のために景品をつけるなど、さまざまな工夫を図っておられます。

 こうした状況について、松下幸之助さんの著書に、商売の原点ともいえる参考になる文章がありますのでご紹介しましょう。

 『お客さんにおつけする景品のうちで、何にもまして重要なものは何かということになったら、皆さんはどんな景品をあげられるでしょうか。考え方はいろいろありましょうが、私はそれは、親切な“笑顔”ではないかと思います。もちろん、ハワイ旅行というような景品も結構には違いありませんが、いつもご愛顧いただいているお客さんに対して、感謝の気持ちにあふれた“笑顔”の景品を日ごろからおつけしていれば、あえてハワイ旅行というようなことをせずとも、お客さんはきっと満足してくださるのではないかと思います。
(中略)“あのお店はあんな、いわば常識はずれの景品をつけているが、自分のところは親切な笑顔のサービスに徹しよう”というように、いわば“徳をもって報いる”方策で臨んでこそ、お客さんに心から喜んでいただけ、お店のよきファンにもなっていただけるのではないでしょうか。考え方はいろいろありましょうが、私はそう信じています。』 「商売心得帖」より

 CS(顧客満足)で有名なある自動車販売店では、「笑顔はお金をかけない最高のサービスである」として、社内全員で“笑顔”の対応を徹底して取り組まれておられるそうです。その対応の一つに、社員の提案で、従来あった入り口の自動ドアを手動ドアに変え、社員が手でドアを開けて“笑顔”でお客さまを出迎えるようにされたそうです。すると、「どうもありがとうございます」とお客さまから感謝の言葉をいただくようになったのです。自動ドアでは経験したことがなかった社員とお客さまの心の通い合いが入り口で始まったのです。

このお店は、“笑顔”という景品によってお客さまのファンづくりをされている好例ではないでしょうか。今一度、商売の原点である“笑顔”の景品で商売繁盛の工夫をされてみるのも良い方法ではないでしょうか?

展示室「経営道・商人道」コーナー展示室「経営道・商人道」コーナー(写真左)
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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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