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館長からのメッセージ

とどめを刺して一年を終える
2011年12月

 今年もさまざまな事がたくさん起こりました。3月11日の東日本大震災、7月のタイにおける大洪水、つらく悲しい出来事が起こってしまいました。被災された方々が苦難を乗り越えようとされている報道に触れる度に心打たれる毎日です。

 また、ギリシャ危機に端を発した世界的な経済不安は、私たちのこれからの生活がどうなるのかといった暗い気持ちになってしまいます。 

そういった中で、女子サッカー「なでしこジャパン」がワールドカップ優勝という快挙を成し遂げました。「世界一になりたい!」と強く願ってきた彼女たちの頑張りと粘りは、大きな勇気と喜びを私たちに与えてくれました。

 みなさんも、会社や学校、そして家庭や人生において、今年一年、苦しかったことや楽しかったことがいろいろあったのではないでしょうか。そこで新しい年を迎えるにあたり、今一度、身近なことについて考えてみたいと思います。

 毎日仕事をしていると、予期せぬ事が起こったり、難しい依頼に対応しなければならなかったり、判断や決断に迷うことが出てくるなど、次から次とやらなければならないことが生じてきます。予定通りに進めていた仕事に支障が出てくることもあろうかと思います。そういった時、「ああ、忙しいな」「面倒だな」といった気持ちになり、「まあ大丈夫だろう」と確認・調整を怠ったり、徹底すべきことをやらなかったりするようなことがないでしょうか。私たちは、こうした弱い心につい負けそうになります。さて、こんな時、どうしたらいいのでしょうか。

 「松下幸之助 一日一話」(PHP研究所)に、“とどめを刺す”という一節があります。

 『一生懸命に努力して、せっかく99%までの成果を上げても残りのわずか1%の「止め」がしっかりと刺されていなかったら、それは結局はじめからやらなかったと同じことになる。いや中途半端にやっただけ、むしろマイナスになる場合が多いのではあるまいか。念には念を入れよ、である。仕事を完全にやり通すのに念の入れ過ぎということはないのである。とどめを刺さない仕事ぶりがあったら、お互いにその不徹底を大いに恥とするほどの厳しい心がけを持ちたいものである』

 間もなく一年が終わろうとしています。このまま終えては後悔するようなことはないでしょうか。中には、来年以降に持ち越さざるを得ないこともあると思います。しかし、頑張れば年内にやり遂げられることや決着できることがまだ残っているという人もいらっしゃるのではないでしょうか。それを、あいまい、いい加減にしてのばしのばしにしていると、あとから後悔することになります。しっかりと、とどめを刺したいものです。

 さあ、12月です。とどめを刺すべきことはしっかりと刺して、今年1年、悔いのないように締めくくりたいと思います。 

 この一年、素直な心でもって自分の天分を見出す努力を続けながら、“人間としての成功” に近づくために、一歩一歩力強く歩みたいものです。

「松下幸之助 一日一話」『松下幸之助 一日一話』PHP研究所刊(写真左)
2冊とも松下資料館経営図書館にあります

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公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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