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館長からのメッセージ

松下幸之助が考える “成功” とは
2012年1月

 明けましておめでとうございます。本年も、松下資料館へのご支援・ご教導を、よろしくお願いいたします。

 松下幸之助は “経営の神様” と世間一般で称されていましたが、併せて “成功者” とも言われていました。社会的な地位や名誉、財産だけを見ても、確かに成功者と呼ばれるにふさわしい人物であったといえるのではないでしょうか。

 ところが、松下幸之助はこうした地位や名誉、財産だけで “成功” と見るようなことはしませんでした。“真の成功 ” とは、本来、“人間としての成功” にあると考えていました。

 私たち一人ひとりには異なった特質・個性・才能(これらを天分と幸之助は言っていました)が与えられており、この天分を生かすことが、“人間としての成功” への道であると考えたのです。

 『天分はすべての人に与えられ、すべての人がこの天分のままに生きることが、最も正しい生き方であるということになると思うのであります。この意味の成功を、人間としての成功と名づけますならば、この人間としての成功が、真の意味の成功であると、こう考えるのであります。
(中略)こう考えてまいりますと、成功の姿は人によってみな異なってくることになるのであります。ある人は大臣になることが成功であるかもしれませんが、他の人は牛乳屋として生きることが成功かもしれないのであります。』
 『幸福は必ずしも地位や名誉や財産を必要としないのであります。自分に与えられた天分の中に生きていく、すなわち人間としての成功を遂げるとき初めて、これが味わえてくると思うのであります。したがって、真の意味の成功は、自分の天分に添うか添わないかということが基準になり、それは同時に真の幸福が得られるか得られないかの分かれ目にもなるのであります。』 「松下幸之助の哲学」(PHP研究所刊)より

 よく “天は二物を与えず” と言いますが、松下幸之助は “天は一物を与えてくれている” のだから、その与えられた一つのもの(天分)を大事に育て上げることが大切であると考えたのです。

 さて、自分に与えられた天分とはいかなるものなのでしょうか。そう簡単に見つけられるものではないかもしれません。しかし、自分に与えられた天分を見出し、磨くための機会やヒントは、身近にたくさんあるのではないでしょうか。

参考として、松下幸之助の言葉も一部ご紹介しておきましょう。

  • まず好きになる ― 好きになれば努力することが苦にならない
  • 熱意は磁石 ― 熱心さは周囲の人を引きつけ、周囲の情勢も大きく動かしていく
  • 誠意あればこそ ― 誠実かつ熱心に日々の仕事に力強く取り組むことが信用を深める
  • 感謝の心は幸福の安全弁 ― 感謝の心が高まればそれに正比例して幸福感が高まる
  • 上には上がある ― 常によりよき方法、よりよき道を求める姿勢が大切

 この一年、素直な心でもって自分の天分を見出す努力を続けながら、“人間としての成功” に近づくために、一歩一歩力強く歩みたいものです。

『松下幸之助の哲学』『人間としての成功』『松下幸之助の哲学』『人間としての成功』(写真左)PHP研究所刊
2冊とも松下資料館経営図書館にあります

皆様のご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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