松下資料館 トップページ>館長からのメッセージ

館長からのメッセージ

エジソンに学ぶ
2012年2月

 発明王として知られるトーマス・エジソンは、電球、蓄音機、映写機など千種類以上の発明をした偉人です。そのエジソンの像が、パナソニック本社の敷地にあります。先覚者としての偉業をたたえ、若い人たちの指針にしてほしいとの願いから、国内外から選ばれたその他の先覚者像とともに、その像が設置されています。

 さて、そのエジソンなのですが、実は小学校に3カ月しか行っておらず、きちんとした教育を学校で受けていなかったことはあまり知られていないようです。小学校を4年で中退せざるをえなかった松下幸之助は、エジソンが学校で学問を身につけていなかったにもかかわらず、今まで世になかったものを次々と発明したその生き方に共感を覚えたのでしょうか。エジソンについて自らの著書で次のように触れています。

 『(エジソンは)ときには、鳥を捕らえてきて、なぜ鳥は空を飛ぶことができるのかと、羽の構造を熱心に調べた。またあるときには、止まっている蒸気機関車の下にもぐりこみ、油まみれになりながら機械のしくみを調べていて、運転士にひどく叱られたりしたともいわれています。それほど熱心だったわけです。  (中略)  それほど観察の目が鋭かった。いわゆる学問上の指導者はなかったけれども、その代わり、自然の事物のなかに、自分の師を見つけたのでした。
(中略)  さいわいにして、そばによい助言者や指導者がいれば、あるいは適切な導きを与えてくれるかもしれません。しかし、そういうひとがだれにもいるとはかぎらないでしょう。しかし、もしいないとしても、けっして悲観してはならないと思います。そのことは、エジソンがはっきり示してくれています。師に恵まれず、指導者がなくても、すべての事物をことごとく師として学び、あのような偉大な業績を残しえているのです。』  (「若さに贈る」PHP研究所刊より)

 松下幸之助は、エジソンの素直に物事を見つめ学ぼうとする探究心、そして熱心にそれを世の中に生かそうと心がける姿勢に、大いに心ひかれたのでしょう。自分の部屋にエジソンの写真を掲げて仕事に励んでいたと言われています。

 自然の事物やさまざまな情報の中に、重要な真理がたくさん潜んでいます。しかし、わたしたちは、そうした師とすべき事柄を見逃しがちです。目で見て、耳で聞き、手足で触れる、そのように体験したり感じたりしたあらゆることを素直に受けとめ、“なぜ” と考え探究する。そして、それを熱心に生かそうとする熱意を持ちたいものです。

 また、松下幸之助は、新しい物を生み出すためには、その必要性を強く感じ、その実現のために一生懸命打ち込むと、師とすべき事柄がたくさん見えてくる、と考えていました。何も願わない、思いが弱いところからは、真理がなかなか見えてこないということでしょうか。

 私たちも、エジソンの“探究しよう”“発明しよう”とする熱心な姿勢から大いに学び、それを人生や仕事に生かしていきたいものです。

パナソニック本社に設置された<科学と工業の先覚者>の銅像の前に立つ松下幸之助 (エジソンは中央の全身像)パナソニック本社に設置された<科学と工業の先覚者>の
銅像の前に立つ松下幸之助 (エジソンは中央の全身像)
写真提供 Panasonic(株)

皆様のご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

過去の記事はこちら最新の記事はこちら