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館長からのメッセージ

まず報告する
2013年4月

4月は新入社員が入ってくる季節です。社会人としての第一歩を踏み出すにあたって、希望に胸を膨らませていることだろうと思います。新入社員の方に伝えたい松下幸之助の話がありますのでご紹介いたしましょう。

「きょうは特に諸君にお願いすることがある。諸君が上司なり同僚なりから、何か仕事を命ぜられるか、用事を頼まれた場合、すぐそれを処理する。それで一応責任は果たしたわけであるが、もう一つ進んで、処理した結果を確実に依頼者に報告するということが最も肝要である。
しかるに、この点何人(なんぴと)もややもすれば忘れがちになりやすい。それではいけない。命ぜられた仕事の遂行過程とできあがりを依頼者へ詳細に報告を終わって初めて、使命を完了したこととなるのである。
ちょっと回りくどいように考えられるかもしれないが、決してそうではない。かくすることによって依頼者の安心となり、ほかより信頼の度を高め、すべての物事が誤りなく処理せられ、結局真に能率も上がるのである。」
「松下幸之助発言集 第29巻」(PHP研究所刊)より

確実に報告して初めて物事は完了するということです。いくつかの例を挙げてみましょう。

・上司から書類を他部署の担当者に渡すように指示を受けた。それを相手に渡して、それで良しとしていないかどうか。
 指示した上司は、ちゃんと渡したかどうか気にしているかもしれない。「担当の○○さんに、今お届けいたしました。」と報告すると、上司は安心する。
・先輩の代理でお客さまのところに行った時、注文をいただいた。会社に帰ってから、「担当の○○に伝えました。」と、お客さまに電話で報告をする。
 お客さまは返事をもらわなくてもいいと思っていても、非常にていねいな対応だと満足してくれる。

言われたことだけすればいいと思うのは間違いです。結果や経過をきちんと報告する人は、周りの人から信頼されることになります。命じた人の気持ちを察して報告することが、信頼づくりにつながるのです。

「世の中で偉くなるとか偉くならんとか、相当の仕事をするとかしないとかということは、その人が頭がいいとか賢いとかいうことも、それは大いにありましょうけれども、それ以上に大きな力となるものは、そういう些細なことをおろそかにしない心がけである。
むずかしいことができても、平凡なことができないということではいけない。むずかしいことより平凡なことのほうが大事である。それを積み重ねていって、そして基礎をつくって、その基礎の上に立って、さらに長年の体験をその人の知恵才覚によって生かしていくというかたちが、危なげのないことやと思うんですね。」
「松下幸之助発言集 第32巻」(PHP研究所刊)より

報告することは、仕事をするうえで基本中の基本なのですが、日頃から心がけて実践をしていないと、面倒になってしなくなりがちです。自然に報告ができるようにするためには、意識して習慣づけをすることが大切です。
社会人としてスタートするこの時期は、命じられたことを実行したら、まず報告するということを徹底するようにしたいものです。

松下幸之助発言集「松下幸之助発言集」全45巻
松下資料館経営図書館にあります

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公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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