松下資料館 トップページ>館長からのメッセージ

館長からのメッセージ

民主主義について
2013年10月

毎日忙しい!忙しい!と嘆いている方々、本当におつかれさまです。夜の東京新橋でお父さんたちが、よくほろ酔い気分で取材されているのを見ると、一日精いっぱい働いた後の一杯はいいものだなあと共感してしまいます。
ところが、毎日忙しく働いていると、身近なことばかりに頭が働いて、政治について関心が薄れてしまうということはないでしょうか。国際問題や経済、福祉、災害対策等、政治は私たちの生活を左右する重要な関心事項のはずです。
国民主権と言われて久しいですが、選挙に投票することだけが国民主権ではないと思うのです。日本は民主主義国家ですから、日々、政治がどのように行なわれているのか、どういったことが決められようとしているのかを、私たち国民は知る努力をしなければならないのではないでしょうか。

松下幸之助は、国民主権について次のように述べています。

「国民が主権をもつという姿は決してたやすくもたらされたものではありません。多くの尊い血が流され、幾多の悲惨な体験を経て、やっと各国の人びとが手に入れることができたものです。そのように貴重な国民主権というものを、今日のお互い日本の国民が軽視し、大切にしないまま、みずからの不幸を生むとしたら、これはいわゆる宝の持ちぐされというか、あまりにも知恵のない姿ではないでしょうか。」
「政治を見直そう」(PHP研究所刊)より

私たちが政治に関心を持たなければ、政治家は国民のために一生懸命頑張ろうというやる気を失うかもしれませんね。いやもしかしたら、強大な力を持った一部の権力者が専制政治を行なうとも限りません。一部の権力者に都合のよい民主主義に陥ってしまうのは困ります。
そういったことから、政治に関心を持ち、一人ひとりが知るべきことを知り、言うべきことをきちんと述べるということが大切になるのです。しかし、個人個人が自ら思うことを主張することは結構なことなのですが、心がけるべきこともあるのではないでしょうか。

「個人の権利を重んじることはきわめて大切ですが、同時に他人の権利も同様に重んじ、そこに調和共栄し、互いに生かしあっていく心がなければならないわけです。(中略)民主主義を生かして立派な社会を築いていくには、民主主義をウラ付けするだけの良識が国民に養われていなければならないでしょう。さもなければその社会は、いわゆる勝手主義に陥って、収拾がつかない混乱も起こりかねないと思います。」
「政治を見直そう」(PHP研究所刊)より

真の民主主義にするには、相手の権利を重んじること、そして人間としての良識を養い高めることが大切であると、幸之助は強く訴えていました。
私たちが一生懸命に働いたことが報われるかどうかはすべて政治のよし悪しによって決まります。ですから、私たちは政治に関心を持つとともに、真の民主主義について今一度考えてみるのもよいのではないでしょうか。

「政治を見直そう」「政治を見直そう」
松下資料館経営図書館でご覧いただけます

皆様のご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

過去の記事はこちら最新の記事はこちら