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館長からのメッセージ

好きになってみよう
2014年3月

こんな営業社員がいたとします。売上が思うように上がらない。その理由は、説明するのが苦手だからだ。営業という仕事が自分に向いていない、会社、やめようかな・・・。
さて、この人はそんなに営業の仕事が向いていないのでしょうか。例えば、次の点はどうだったのでしょうか。
  ・商品知識は万全だったか
  ・説明に工夫をしていたか
  ・商品を本当に値打のあるものだと自分自身が確信していたか
この問いに一つでも不十分なところがあるようであれば、松下幸之助さんの次の文章を読まれることをお勧めします。

「まず商品説明にみずから興味をもち、それを好きになることです。好きになれば努力することが苦にならない。むしろ楽しくなる。その結果、説得力も向上する。『好きこそものの上手なれ』という言葉がありますが、まさにそのとおりだと思います。これは、なにも商品説明ばかりに限りません。一事が万事、何ごとにもあてはまると思います。」
「商売心得帖」(PHP研究所刊)より

どのような仕事に就いていても、まずその仕事を好きになってみることが心得として大事だということです。この営業社員の場合、商品説明が好きだと強く強く思うことから始めることです。そして、商品知識を徹底的に学び、説明の仕方も工夫してみる、さらに扱っている商品の良さを見出して自分で確信が持てるようにする。そこまでくれば説得にもおのずと工夫が生まれ、力強い説明や商談ができるのではないでしょうか。
つまり、好きだと思って一生懸命に取り組んでいると、次第にその仕事の内容がわかってきて創意工夫が生まれ、徐々に成果が表れてくる。そして、上司やお客さまから良い評価をいただくようになると、やりがいが生まれてもっと頑張ってみようと思うようになります。それが好循環になり、嫌だと思っていた仕事が自分のものになり、天職となっていくかもしれないのです。
でも、一生懸命にやっているのにうまくいかない・・・やることなすことが裏目にばかり出る・・・そういった状況に陥って悩むことが、長い人生にはありますが・・・。

「そんなときに大事なのは、やはり志を失わず地道な努力を続けること。およそ物事というものは、すぐにうまくいくということはめったにあるものではない。根気よく辛抱強く、地道な努力をたゆまず続けていくことによって、はじめてそれなりの成果があがるものだという気がします。」
「人生心得帖」(PHP研究所刊)より

成果があがるまで、粘り強く続けていくことが大切ということです。
しかし、一生懸命仕事を続けてきたが、どうしてもこの仕事は自分に合わないという方もいらっしゃると思います。本当にそうであるならば、上司や関係者に相談をしてもいいのではないでしょうか。熱心に取り組んできた姿勢を、知らないうちに他人は見てくれているものです。相談をすれば何らかの救いがあるかもしれません。もし、何らの救いの手が差し伸べられなくても、頑張ってきたからこそ得られたものが必ずあるはずです。それまで努力してきたことは決してムダにはなりません。苦労を厭わず熱心に人生を送ってきた人は、筋金入りの人間になれると思うのです。
まずは、好きになることから初めてみましょう。

松下幸之助の仕事哲学「仕事に惚れこむ」展示室「人生の行き方・考え方/働くということ」コーナー
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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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