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館長からのメッセージ

“なぜ”と問うてみる
2014年4月

A君はまじめな人間だと、上司からよく言われます。その理由は、指示されたことは全て「はい、わかりました」と受け入れて坦々とこなすからです。決して、疑問を抱かず、不平も言わない。起きてしまった問題や不具合については、状況や事実をきちんと報告して上司の指示を仰ぐようにしています。だから、上司にとっては重宝な部下でした。ところが、波風をほとんど立てずに同じことを繰り返していたA君でしたが、昇進が遅れだしたのです。
どうしてでしょうか・・・?その理由は、A君は言われたことをきちんとこなすだけで、仕事について何の疑問も気づきも持たなかった・・・工夫も改善も提案もまったくしていなかったからなのです。

「日に新たであるためには、いつも“なぜ”と問わねばならぬ。そしてその答を、自分でも考え、また他にも教えを求める。素直で私心なく、熱心で一生懸命ならば、“なぜ”と問うタネは随所にある。それを見失って、きょうはきのうの如く、あすもきょうの如く、十年一日の如き形式に堕したとき、その人の進歩はとまる。社会の進歩もとまる。」
「道をひらく」(PHP研究所刊)より

世の中は日進月歩で変わっています。当然、会社は世の動きに後れをとることはできないですから、次々と新しいことにチャレンジしなければなりません。
そういった状況の中で、まじめな社員と思われていたA君は、受け身の日々を送りすぎていたのです。現状の仕事に甘んじて、言われた通りにすることで良しとしていたのです。そのために、周りが変わろうとしていることに気づきがなく、問題や不具合が発生したことへの反省もなく、自分から新しいことにチャレンジしてみようという姿勢もなかったのです。では、どうすればいいのでしょうか。
A君は、日々仕事をしていく中で、“なぜ”と問う習慣を持つべきだと思います。“なぜ”と問うところから、問題点や工夫すべき事等が見えてきます。それをすぐに実行してみる。するとさらに問題点や工夫点が明らかになってきてもっといいやり方や案になってくる。このように“なぜ”と問うてみて、思いついたらやってみるといった姿勢や訓練を、A君は日々実践すればいいのです。

きょう一日が過ぎれば、あすはあすの風が吹くだろうというような、事無かれ主義ではいつか行き詰まります。野山の樹々が一年一年と年輪を加えていくように、事あるごとに“なぜ”と問う努力を続けることによって、去年よりも今年、今年よりも来年と一年一年成長していくことになるのではないでしょうか。

参考図書『なぜ』松下幸之助著参考図書 『なぜ』 松下幸之助著
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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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