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館長からのメッセージ

静思の勧め
2015年5月

 問題が起こったり、予定通りにいかなかった時、すぐに他人転嫁したり、社会状況のせいにして弁解ばかりする人がいます。こうした弁解を聞き続けている周囲の人たちはあまり気持ちのいいものではないと思います。
 松下幸之助は、責任転嫁ばかりしている人について次のように述べています。

「近ごろの人間はあまりにも脆(もろ)すぎる。修練が足りないというのか、躾ができていないというのか、素直に自分の非を認めないどころか、逆に何かと抗弁をしたがる。そして出処進退を誤り、身のおきどころを失う。とどのつまりが自暴自棄になって、自分も傷つき他人も傷つけることになる。」 「松下幸之助 道をひらく」(PHP研究所刊)より

 うまくいかなかった時、確かに他に原因があったのかもしれません。しかし、そのことについて自分はまったく無関係だったのでしょうか。もし自分が早く気づいていればとか、あそこで念をおしていればとか、自ら反省すべきことはなかったでしょうか。

「人間というものは往々にしてうまくいかない原因を究明し反省するよりも、『こういう状況だったからうまくいかないのだ。あんな思いがけないことが起こって、それで失敗したのだ』というように弁解し、自分を納得させてしまう。原因は自分が招いたことである、という思いに徹してこそ、失敗の経験も生かされるのではないだろうか。」 「松下幸之助 一日一話」(PHP研究所刊)より

 責任は自分にもあるかもしれないといった思いで自らを省みると、うまくいかなかったことがいろいろな教訓となって生きてくるはずです。マイナスをプラスに転じることもできるかもしれません。ところが、責任転嫁ばかりして自らを省みない人は、教訓が得られず社会人として、また人間としてなかなか成長できないのではないでしょうか。
 そのようなことから、問題が起こったら、弁解する前にまず自分のせいではないかと静かに自問自答してみたいものです。
 ところが、現代人の多くは忙しい毎日を送っているだけに、静かに自らを省みる時間はなかなかありません。それだからこそ、自らを省みる静思の時間を意識して少しでもつくり、自問自答してみたいものです。そうした静思の時を持つところから、明日への新たな意欲も湧いてくるのではないでしょうか。

松下幸之助の命日(4月27日)にいただいたお花松下幸之助のファンの方から
命日(4月27日)にお花をいただきました

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公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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