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館長からのメッセージ

今日が最後の日だとしたら
2015年8月

 松下資料館でお会いした一人の女性についてお話をさせていただきます。彼女は東京で介護関係の仕事をされています。仕事を通して次のようなことを考えられるようになったそうです。

  ・介護の仕事を通して、命があるのは当たり前ではないことを思い知らされた。
  ・この世からいなくなった方々から、たくさんの温かいメッセージをいただいてきたことを感じることができた。
  ・いま接している方々もいずれはこの世からいなくなる。それも、どのタイミングでやってくるかわからない。
  ・そう考えると、今あるものに感謝する気持ち、今あるものを大切にする気持ちをしっかり持たなければならないと思えるようになった。

 彼女は大切なことだと思ったら、忙しくても時間をつくって、会いに行く、学びに行く、現地に行くというように積極的に行動をしておられます。なぜ、そこまでするのでしょうか。それは「今日が最後の日ならどうするか」と考えるようになったからだそうです。これが最後でも後悔しないように接することが大切だと。
 「我以外皆我師」なんだ、たくさんの人がたくさんの事を教えてくれることに感謝できる心を持ちたい。今有るものに感謝できる心を持つと、生きている幸せを感じられるようになってきた、そうおっしゃっておられます。。
 若くして伸びやかに堂々と生きておられる彼女の言動に、私は圧倒される思いでした。
 松下幸之助は「誠実であること」について、次のように述べています。

「誠実な人はありのままの自分というものをいつもさらけだしているから、心にやましいところがない。心にやましいところがなければ、よけいな心配をしたり、おそれたりすることなく、いつも正々堂々と生きることができる。それを、自分をよくみられたい、よくみられようなどと考えて、あれこれ作為をすれば、その作為のためにいらざる気を使うということにもなろうし、そのことが一種のうしろめたさともなって、力強い信念にみちた活動もできにくいだろう。」 松下幸之助著「指導者の条件」(PHP研究所刊)より

 彼女が自らなりたい人物像は、「謙虚で人を大切にする人」「信念を持って諦めない人」だそうです。仕事を通して生きる意味に気づいた彼女は、自らの信念を持って誠実に日々を送ろうとしている人と言えるのではないでしょうか。
 そしてさらに感心したのは、「自分は運が強い!」とセルフイメージしていることです。松下幸之助もやはりそのように自分に言い聞かせて人生を切り拓いてきた人でした。
 彼女との出会いを通して、人としてどう生きるかを改めて考えさせられた次第です。

松下資料館の観葉植物直径9㎝のビニールポットで成長し続けるポトス(写真中央)
切り分けた葉を館内に飾っています

皆様のご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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