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館長からのメッセージ

物をつくる前に人をつくる
2015年9月

 松下幸之助は従業員に、よくこう話していたということである。
 「松下電器は何をつくるところかと尋ねられたら、松下電器は人をつくるところでございます。併せて電気器具もつくっております、こうお答えしなさい」
 また、「事業は人なり」とも幸之助は言っていました。どんなに素晴らしい技術やノウハウがあっても、どんなに優れた機械や設備があっても、どんなに立派な組織があっても、人が育っていなければ事業は発展しないのだと。
 この「人づくり大事」の考え方は、松下幸之助の経営に一貫しているものでした。では、人づくりの基本をどこにおいていたのか、そのポイントを私見ではありますがご紹介してみましょう。

1.正しい経営理念・使命観をしっかりと持たせる
  「わが社は何のためにあるのか」「自分たちの仕事は何のためにしているのか」といった会社の基本の考え、方針が明確であれば、責任者もそれに
  基づいて力強い指導ができます。また社員もそれにしたがって是非の判断がしやすくなります。

2.自主独立の精神を持たせて思い切って任せる
  自主性を持たせると自分で考え工夫するようになり、経営感覚を持った人材を育てることができます。但し、基本方針をしっかりと抑えた上で権限を
  与え、報連相をきちんとさせるのがコツ。

3.社会人として立派な人を育てる
  社会人として良識のある人間を育てることが大切。仕事はよくできるが、社会人として欠陥があるというのでは問題が起こりやすい。良識ある人間が
  育っている会社は、問題が起こりにくいから能率的な経営につながります。

 こうした考えに立って人づくりをしていった松下幸之助は、次のように述べています。

企業は社会に貢献していくことを使命とする公器であり、そこにおける仕事も公事である。私のものではない。だから、その公の立場から見て、見すごせない、許せないということに対しては、言うべきを言い、叱るべきを叱らなくてはならない。決して私の感情によってそれをするのでなく、使命観に立っての注意であり、叱責である。そういうきびしいものによって、叱られた人も初めて目覚め、成長していくのである。何も言われない、叱られないというのは部下にとっても一面けっこうなようだし、経営者、上司にとっても楽であるが、そうした安易な姿では決して人は育たないことを銘記しなくてはならない 松下幸之助著「実践経営哲学」(PHP研究所刊)より

 松下幸之助から直接指導を受けた方々の多くが、厳しさの中にも愛情がある、勇気・やる気を促される等の体験エピソードをたくさん残しておられます。
 松下資料館には、松下幸之助自らが語る人づくりの考え方や薫陶を受けた部下が実際に指導を受けたことを語る話を、60以上の映像で視聴することができます。本とは違った心震える感動に浸ることができると思います。人づくりに苦心されてる方、これから人づくりの任にあたる方は必見の映像ばかりですので、ぜひ松下資料館にご来館ください。お待ちしております。

映像ブース「人材育成の考え方」映像ブース「人材育成の考え方」タイトル画面
松下幸之助の人を育てる心得についてご覧いただけます

皆様のご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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