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館長からのメッセージ

実力のある人は憤慨しない
2015年12月

 世の中には、何かと憤慨する人がいます。「俺は客なんだぞ。客の言うことが聞けないのか!」「こんなことも知らないとは・・恥ずかしいと思わないのか!この恥知らずが!」「何を偉そうに!客だからと言って好き放題言えると思ったら大間違いだ・・何様のつもりだ!」等々、吐き散らすように罵詈雑言を浴びせて憤慨する人がいます。はたからみるとそこまで言わなくても・・ということがよくあります。
 辞書で「憤慨」を引いてみると、「ひどく腹を立てること。けしからんことに対していきどおりなげくこと」とあります。松下幸之助は、憤慨する人について、次のように述べています。

「簡単に怒る人間があるけれど、そういうことは実力のない証拠である。憤慨すべきときでも憤慨せず、さらに物事の奥を極めて、自分のなすべきことをやっていこうというようなことが、実力ある者の一つの大きな仕事だと私は思うんです。(中略)賢いために、物事の是非が分かる。それはいいんです。しかし、そのために憤慨するというわけですね。『けしからん』と言うて憤慨している。それは賢いために、かえって大きな弊害が起こっているわけです。」 松下幸之助(述)『人生と仕事について知っておいてほしいこと』(PHP研究所刊)より

 憤慨するということは、要は、上から目線で腹を立てていることが多いのではないでしょうか。相手の話をきちんと聞かない、自分の狭い固定観念で決めつける、自分可愛さに相手を否定する・・気がつかないうちに相手を見下してしまっていないかどうか。
 憤慨すると相手は萎縮したり、困ったり、反感を持ったりしがちです。そのために、憤慨ばかりしている人には衆知が集まりにくく、協力してくれる人も少ないと思われます。その結果、協力が得られないために孤立してしまったり、事の本質が見極められないまま中途半端に物事が進んで十分な成果が上がらなくなったり、さらには人間としての成長が図られない、ということになりかねません。
 現代人は知識が豊富で能力の高い人も多いですが、そういった人ほど自分の身についた知恵才覚にとらわれることがあるかもしれません。どんなに賢い人、優秀な人でも、知らないこと、できないことがあるのですから、相手を見下して憤慨するようなことをせずに冷静に謙虚に相手のことを受け止めてみる度量を持ちたいものです。

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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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