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館長からのメッセージ

真の幸せとは
2016年1月

 いつの時代でも、親がわが子の幸せを願う心は変わりません。できれば、子どもを一流の高校、大学に進学させたい。あるいは野球やサッカーのプロ選手にさせたいので有名な育成クラブに入れたい。そうすれば一流の会社やプロ球団に入ることができて高い収入も得られる。このように、わが子に大いに期待する親御さんが少なからずいらっしゃると思います。
 しかし、そうした親の期待通りにすべての子どもが一流の会社に入ったり、プロ選手になれるとは限りません。勉強が苦手、運動が不得意という子どもはたくさんいます。人間は一人ひとり異なった特質を持っているのですから、それぞれ得手・不得手があるわけで、すべての子どもがすべての面において優秀であることは不可能なのです。
 親は子どもの学力や体力をできるかぎり向上するように努めながらも、子どもの特質を見つつ能力以上の期待をかけすぎないように心がけたいものです。
 松下幸之助は、人間の幸せについて次のように述べています。

「ある人が幸福になったからといって、皆がその人のとおりにすれば幸福になれるとは、軽々しく言えません。たとえば、立派な宮殿に住んで、きらびやかな着物を着ることが幸福だと考える人があっても、そんな窮屈なことを嫌う人は幸福どころかかえって不幸に感じるのと同じであります。要はその人が天分に合致した生き方をしてこそ、真に幸福になれるのであって、天分に合わないものをいくら与えられても、人は決して喜ばないと思うのであります。」 『松下幸之助の哲学』(PHP研究所刊)より

 一般的に私たちは、お金や地位や名誉があれば幸せになれると思いがちです。否定はできませんが、みながみなそれをめざしても全員がお金や地位や名誉を得られるわけではありませんし、もし得られたとしても、松下幸之助が言うように必ずしも幸せになれるとは限りません。では、幸せになるにはどうしたらいいのでしょうか。人は千差万別の性格・素質、つまり一人ひとり独自の特質をもっているのですから、誰もが同じことをするには無理があるわけです。それよりも、幸せになるためには自分の持っている特質をどのように生かせばいいか、というような考え方をしてみてはいかがでしょうか。
 物づくりの好きな人は技を習得して大工さんに、文章の好きな人は文章技術を磨いてコピーライターになる。好きなことであれば、一生懸命できるし充実感も味わうことができるでしょう。途中、山あり谷あり大変なこともあるでしょうが、自分の特質に合う好きなことに取り組んできた人は人生が面白く、幸せ感も人一倍に得ることができると思われます。
 年の初めに、お金や地位や名誉にとらわれることなく、自分にとっての幸せとは何だろうかということを真剣に考えてみるのもいいのではないでしょうか。

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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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