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館長からのメッセージ

業即信仰
2016年2月

 昭和43(1968)年の松下通信工業10周年記念式典で、松下幸之助は銀座並木通りの散髪屋に行った時の話を社員に紹介しました。その内容とは、そこのご主人がある会合で「業即信仰(ぎょうそくしんこう)」と書いたふろしきを配って喜ばれたというものでした。業即信仰とは、自分の業に信仰をもつことであり、自分の仕事を認めてくださるお客様、利用してくださるお客様を仏さん、神さんとして拝むことによって、それが信仰となり商売発展につながるのだと、そこのご主人が語ってくれたそうです。それを聞いた松下幸之助は大変感銘をし、次のように話をしました。

「お客さんの頭を刈っても、その仕事に信仰をもっている。そこに喜びを感じているんだ。だからお客さんも大事にして、お客さんが来てくれることに対して非常な喜びとありがたさをもっている。したがってお客さんに手を合わせて、拝むような心持ちになるんだ。そこにその散髪屋さんの繁盛もあるし、そこで育つお弟子さんがたが、みな人間として立派に成功してもいる。そういうお話を承って、ほんとうにそうだなという感じがしたのであります。」 『松下幸之助発言集31』(PHP研究所刊)より

 私たちは給料を誰からもらっているかというと、お客様・お得意様からいただいています。そして、陰で支えてくれている協力業者さんがいるからいい商品やサービスを提供することができています。このように、私たちはたくさんの方々の支えがあって今の仕事をさせていただいて給料をもらっているのです。いい加減な仕事をしていると、お客様も協力業者さんも離れていき、結果、給料をいただけないことになってしまいます。

「自分の仕事を粗末にする、自分の仕事に喜びを感じない状態で、何が信仰というものがありましょう。自分の仕事をそういうように大事に考え、そしてさらにより高い信仰というものを感じて生きていくというところにこそ、ほんとうの道があるのやないかという感じがいたします。」 『松下幸之助発言集31』(PHP研究所刊)より

 ビジネスというのは、知識や技術があればうまくいく、新鋭の機械や設備を導入すればいいものが作れると考えがちですが、それだけでは不十分なことはみなさんご存じだと思います。どうすればお客様に喜んでいただけるか、感動していただけるか、といったいろいろな工夫・努力の積み重ねがあるから認められ、選ばれるわけです。熱心に仕事をする、魂の入った仕事をする。まさに業即信仰の思いで仕事をすれば、いい成果につながるのではないでしょうか。信仰をもつほどの魂のはいった仕事をしているかどうか、お客様・協力業者さんに心から感謝をしているかどうか、喜びを感じながら仕事に取り組んでいるかどうか、自問自答をしていきたいものですね。

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公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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