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館長からのメッセージ

気にいらない人
2016年10月

 みなさんは、“どうしても気にいらない”という人はいませんか。あの人の暗い性格が大嫌い。何かにつけて文句を言ってくるあいつは気にくわない。どうもあの上司とはウマがあわなくて毎日が憂鬱だ。口に出さずとも心の中でそう思っている人は少なからずいるのではないでしょうか。私たちは感情の生き物ですから、“気にいらない人”がいるのは一面致し方ないのかもわかりませんね。
 では、そういう“気にいらない人”に対して、みなさんはどのように接しておられますか。普段接することがあまりない相手であればそれほど気にすることはないでしょうが、毎日あるいはしょっちゅう顔をつきあわせている相手ならば相当ストレスを感じるかもしれませんね。
 そうした“気にいらない人”との接し方について、松下幸之助は次のように述べています。

 「会社においても、上司はもちろんですが、同僚でも非常に愉快な人ばかりいるわけではありません。そうでない人もいます。けれども、そういう場合に、自分が不愉快になることはマイナスだと思うのです。自分にもマイナスになるし、また他の同僚にもマイナスになると思います。(中略)その考えの一番基礎になるものは、一つの運命論というか、もうこうなれば仕方がないと心を決めて、そして言うべきことは言い、自由にふるまっていく、そういうことだと思うのです。しかし、そういう基盤というものに立たずしてやると、これは大きく動揺してくると思います。」 (松下幸之助著「道は無限にある」PHP研究所刊より)

 私たち人間は、一人ひとり個性・特質というものが異なります。天与の資質や生まれ育った環境がみな違うわけです。自分と違うからといって相手を非難したり排除ばかりしていてもなかなかお互いの溝は埋まりません。さらに溝は深まるばかりです。そして、周りの人に気をつかわせたり、迷惑をかけたりしてしまいます。ここは覚悟を決めて、運命として現状を肯定し、その状態の中で自分を生かすことを考える、そういうことも大切ではないかと思います。
 またよく考えてみると、考え方も特質も同じ人間ばかりだとしたら、お互いに刺激がなく、気づきや創意工夫といったものが生まれにくいということもあるのではないでしょうか。異なった考えや見方があるから違った視点から物事を見たり考えたりできるのであって、気づきや新たな発見もさらに生まれてくる。ですから、考え方や特質がみな違うということは、自己成長や進歩発展にかかせない大事なことだと考える見方もあっていいと思うのです。
 誰にでも“気にいらない人”はいると思いますが、非難したり排除するのではなく、お互いにその特質を認めて生かし合っていこうというプラス思考で接する心の広さを持てば、“気にいらない人”の良い面も見えてくるのではないでしょうか。

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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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