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館長からのメッセージ

カンと仕事
2016年12月

 松下幸之助は、ニュートンが万有引力の法則を発見したことについて、「科学者のカンが働いたから成功した」とよく言っていました。木からりんごが落ちるのは誰もが見ているのに、ニュートンだけは万有引力というものがあるのではないかと考えた。これがカン・直感だと言うのです。
 今日のように科学が日進月歩で進歩している時代に、カンに頼ることは時代錯誤だと思われる向きもいらっしゃるでしょう。
 そのことについて、松下幸之助はカンと科学は両輪でなければならないと述べています。

 「まあかりに、理屈は抜きにしてこれがいいとカンが働くとしますわな。ところがそれを打ち消すような合理性が、一方にピシッとあったら、それはカンをやめたほうがいいと思うんですね。それを打ち消すだけの合理性がなければ、あなたがカンでこれがいいと思うものを通したらいいと思います。そういうことやないでしょうかね。カンがいいとか悪いとかいう問題やないと思いますね。カンを打ち消す確実な合理性がピチッとあれば、カンは別にあえて用いなくてもいいと思う。こんなに合理性があるのだったらこれでしようか、と、これでいいと思うね。それもなければ、東へ行くか西へ行くか分からん場合はもう、やってみないと分かりませんわ。」 (「松下幸之助発言集第2巻」PHP研究所刊より)

 しかし、こうしたカンは単なるカンであってはいけないのであって、ニュートンのように真実を直感して分かるようなカンでありたいものです。そのためにも、真実を直感できるよう、日々自らを養成しなければならないと、松下幸之助は言っています。
 例えば、いろいろなことに関心を持ち、素直な心で謙虚に学ぼうという強い姿勢が大事だということです。学ぶ心が旺盛な人ほど、気づける人になれます。そして素直な心で物事を見たり考えたりできる人は、物事をありのままにとらえることができ、真実を見る眼が養われます。
 こうしたカンの大切さは、科学の分野だけでなく私たちの仕事でも当てはまると思います。今まで培ってきたさまざまな知識や技術にカンを働かせて、より一層創造的なものを生み出していきたいものです。単に知識や技術があるというだけでは、なかなか創造することころまではいきません。そこにカンの働きが重要になってくるのです。「カンの働かない人は描ける餅のごときものだ」と、松下幸之助は考えていました。心したいものです。

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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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