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館長からのメッセージ

不平不満を変換する
2017年7月

 私たちには自分の思う通りに相手がやってくれないと、気分を害して、周りの人たちに相手の非を数えたてて不平を言ってしまうことがあります。それを聞かされる人たちはたまったものではありません。大変嫌な気分になってしまうでしょう。
人の過ちを許せない、というような傾向が私たち人間にはあるようです。だから他人が好ましくないことをすれば、すぐ非難したり責めたりします。しかし、そのような非難ばかりをしてよりよい状況が生まれてくるのでしょうか。むしろ互いにいがみあい、否定しあうというようなことになって、かえって悪い状況に陥りかねないのではないでしょうか。
 松下幸之助は物の考え方として、次のようなことを本に書いています。

 「まあ私の体験を通じて考えますと、どうも不平をもっているときよりも愉快に考えているとき、いわば喜びをもっておるとき、さらに進んではありがたいなと思っておるときのほうが、多くの人は自分に幸せをもってくるんであります。自分の言うことを受け入れられるんであります。損得で計算するんじゃございませんが、仮に損得という言葉をもっていたしますと、そのほうが得であります。ところが損得という小さい問題やなくして、心に感謝の心をもっていると、いろいろとその人の言うことが一方に響きやすい、受け入れられやすいんです。だから主張が通るということになるんです」。 (大阪証券研修所第一期研修会での話 昭和37年4月9日)

 マザー・テレサの言葉に、「人を見下すほどに、大きくなってはいけません」という箴言(しんげん)があります。相手を非難したり、責めたりするという姿は一面において見下していることになります。そうならないように、広い寛容の心をもってあたたかく許す。そして、いい学びができたと感謝する。こうした物の考え方をしていると、幸せ感が生まれてくるのではないでしょうか。
 しかし、日々一所懸命に仕事に取り組んでいると、“どうしてこんな対応をしなければならないのか”“どうしてこんなことを言われなければならないのか”と、自分の意に反することに対して不平不満が出やすいものです。こうした不平不満があるということは、考えようによっては、自分から見て好ましくない点に気づいたということです。一面、素晴らしいことと言えます。そこで、自分にとって好ましくないと思う点について “相手に喜んでもらうにはどうすればいいか”“相手に快く納得してもらうにはどういう工夫をすればいいか”ということを考えていくと、仕事に興味もわいてくるし、“よし改善してやろう”という勇気もわいてくるはずです。不満を不満のまま終わらせずに、次には目標や希望に変えていく。そういう物の考え方も大事だと思います。
 最近は、ひんぱんに批判や非難が起こる社会になりつつありますが、不平・不満を寛容の心をもって感謝に変えていく、また目標や希望に変えていく、といったプラス発想に変換することが社会を良くする第一歩ではないかと考える次第です。

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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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