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館長からのメッセージ

中間目線
2019年2月

 世の中には、知識が豊富な方や、人間としての深みを感じさせる方がたくさんいらっしゃいます。知識や学問について浅薄な私は、物事に精通している方の話を聞くと、その博識さに感心してしまいます。また、人間的に深みのある方にお会いすると、もっと徳のある人間にならなければならないと深く反省させられることがよくあります。こうした方々との交流は、大いに学びが得られ、とても楽しい時を過ごすことができます。
 しかし、そのような方々の中には、まれに独断的に上から目線で話をされる方がいます。学ぶべきいい話なのですが、何か威圧的に感じてしまい、次第に話を聞くのがしんどくなってくる。何度かお会いしていると、「また上から目線で話をされる」という気持ちになって、話を聞くのが苦痛になってくる。そういう人がごくたまにいます。
 逆に、謙虚で腰の低い方もたくさんいらっしゃいますが、中には徹底して、へりくだった姿勢に終始しておられる方がいます。何かにつけて頭を深く下げられ、「ありがとうございます」「よろしくお願いします」を繰り返される。ゆっくり話をしようと思っても、恐縮する言葉ばかりが述べられて、話がまったく続かない。常に、私を上位者(本当はそうでないのに・・)と考えて、下から目線で応対してくる。対等な立場で接したいのですが、へりくだり過ぎる姿勢を崩さない人がいる。こちらとしては、この方は何を考えているのだろう、といらないことを勘繰ってしまいます。

 私は、上から目線ばかりの人や、下から目線ばかりの人はどうも苦手です。では、どういう人が接しやすいか。それは対等に心おきなく話ができるさわやかな人です。こういう言葉はないのかもしれませんが、上からでも下からでもない中間目線で対応してくれる人がいいです。博識であっても、徳望があっても偉そうに話をしない、謙虚ではあるが対等に接してくれる、そういう人との交流が楽しく、素直に学ぶことができます。

 時に思います。自分は、中間目線で人と接しているのだろうかと。年下には、偉そうに上から目線で対応していないか。年上には、下から目線でへりくだり過ぎていないか。多くの人から学びたいのであれば、謙虚さ・素直さ・愛嬌を忘れないで、中間目線で相手と接する自分でありたいと考える昨今です。

講話室講話を行なう前に
軽いストレッチと発声練習を行ないます

みなさまのご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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