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館長からのメッセージ

一方的な指示・命令ばかりでは
2020年1月

 2020年を迎えました。今年も東京オリンピックという一大イベントをはじめとして、私たちを取り囲む環境は日に新たに刻々と変わることが予想されます。仕事も十年一日のごとく同じことをしていたのでは、社会の発展・期待に応えることができません。変化を予測して先取りをしながら、改善や新たなことにチャレンジしていくことが私たちには求められます。責任者は、こうした変化に対応すべく部下に方向性を示し、具体的に実行してもらう責務があります。経験豊富な責任者ほど、いろんなことに気づき、見えてくることもあるので、あれこれと部下に指示・命令をすると思います。さて、この指示・命令ですが、一方的に出していることはないでしょうか。
 松下幸之助は、このことについて次のように述べています。

「人に何か指示し、命令するにあたっては、『あんたの意見はどうか。僕はこう思うんだがどうか』というように、その人の意見にあてはまるか、また得心できるかどうかを、よく聞いてあげなくてはいけない。そしてその聞き方にしても、相手が返事のしやすいようにしてあげないといけない。そういうところが一つのコツで、それが人を活かして使う上で非常に大事ではないだろうか。」 (PHP研究所刊「松下幸之助 人を活かす経営」より抜粋)

 一方的に指示・命令ばかりしていると、部下が理解しているのか、共感しているのかがわかりません。その指示・命令に対して、部下が不満を感じていたり、仕方なしにやっているようでは、創意工夫は生まれにくいし、仕事の発展性もあまり期待できないのではないかと思います。いくら責任者が経験豊富で優秀であっても、実際にその仕事を遂行するのは部下なのです。部下から、「まだ納得できない」とか「こういうやり方もあるのではないか」というように意見・提案が出るようにしたいものです。松下幸之助の言うように、相手が返事のしやすい“相談調”で聞いてみると、思いもかけない工夫や提案が返ってくることがあるものです。部下は、自分の意見が採用されたら、我が事として熱意をもって仕事に取り組むことができるでしょう。もし意見が取り入れられなくても、気づいたり、考えたりした姿勢をほめられたら、参画したという意識が高まり、一体感も生まれやすいのではないでしょうか。このように相談調で事を進めていけば、何事もおのずと好ましい方向に向いていくと思います。
 今年も社会はどんどん変わっていきます。責任者は、部下から意見・提案が次々と出るように、“相談調”で部下育成をしながら、社会の変化に対応していきたいものです。

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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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