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館長からのメッセージ

見方を変える
2017年9月

 誰一人として悩みを持たないという人はいないと思います。中には悩みが高じて、夜も眠れなくてつらい、という深刻な状況に陥る人もいるかもしれません。
 松下幸之助も生来神経質な面があったようで、毎日が不安・悩みの連続で、自分の仕事はこれでいいのかと自信を失うようなこともあったと言っています。しかし、不安に終始とりつかれていたのかというと、そうではなかったようで、「もし不安だけに執していれば、精神的にも肉体的にも参ってしまって、今日の私というものはなかったでしょう」と述懐しています。では、不安や悩みを松下幸之助はどのように解消していったのでしょうか。
 著書等では、次のようなことをよく紹介しています。

・人は無意識の中にも一つの見方に執して、他の見方のあることを忘れがちである。
・とらわれた心に気づかずに行きづまった状態に陥る。
・行きづまるようなことがあれば、ものの見方・考え方を変えることも大事である。

 こうした考えから、著書「道をひらく」で次のように述べています。

 「われわれはもっと自在でありたい。自在にものの見方を変える心の広さを持ちたい。何ごとも一つに執すれば言行公正を欠く。深刻な顔をする前に、ちょっと視野を変えてみるがよい。それで悪ければ、また見方を変えればよい。そのうちに、本当に正しい道がわかってくる。模索のほんとうの意味はここにある。そしてこれができる人には、行きづまりはない。おたがいにこの気持ちで、繁栄への道をさぐってみたいものである。」 (松下幸之助著「道をひらく」より抜粋)

 松下幸之助は、日々の悩みや不安・動揺の多くはとらわれた心になっていることが原因なのだから、とらわれない心でいろいろな見方をして、物事を考え直す努力をしようとしていたようです。そうすることによって、新たな道を切りひらくさまざまな面が見えてきたのかもしれません。
 私たちは日々あれこれと思い悩んでしまうことが少なからずあります。しかし、いたずらに不安にかられ動揺して、それにおびえて何もしないようでは何の解決にもなりません。ただ苦しむだけでは道はひらけてこないのです。そのためにも、悩んだり不安を感じたりしても、一つの見方にとらわれることのないよう自らのものの見方を変えてみるなどして、自在に物事を考える日々を送りたいものです。

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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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