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館長からのメッセージ

企業の不祥事
2019年7月

 企業の不祥事が、次つぎと起こっています。なぜ企業の不祥事がなくならないのか。その原因の一つに、利益優先の考え方があるのではないでしょうか。利益を上げるために、バレなければ不正をやってもいい、そう考える企業が少なからずある。しかし、社会の厳しい目は、いずれ必ずその不正を見抜きます。それでも不正が後を絶たないのは、「企業は何のためにあるのか」「何のためにこの仕事をしているのか」といった正しい企業観の欠如にあるのではないかと思います。
 松下幸之助は、社会に喜ばれる経営、役に立つ経営をしていれば、売上・利益は後からついてくるものだ、という経営哲学をしっかり持っていました。企業は、その大小を問わず社会のもの、つまり「公器」と考えていたのです。

「企業が社会の公器であるとすれば、企業はその活動から、なんらかのプラスを生み出して、社会の向上、共同生活の発展に貢献しなくてはならないと思います。天下の人、天下の金、天下の土地、天下の物資を使って仕事をしている公器としての企業が、その活動からなんのプラスも生み出さず、なんら社会に寄与・貢献しないとすれば、これは許されない罪悪だといわなくてはなりません。」 (PHP研究所発行「企業の社会的責任とは何か?」より抜粋)

 企業は活動を通して、人びとの役に立ち、社会生活を向上させ、文化を発展させて、はじめてその存在価値が認められるのです。不祥事を起こすということは、公器としての自覚のなさ、さらにはその役割を果たしていないからに他なりません。だから、罪悪であるということです。経営者は、このことをしっかりと念頭において経営をしなければいけません。そして、社員全員に『企業は公器』であることを訴え続けなければならないと思います。
 松下幸之助は物事を検討する時に、「とらわれない心」「素直な心」で物事を見たり考えたりするようにしていました。そして、「何が正しいのか」を自問自答していました。社会の公器として、正しいことをしているか、正しい判断ができているか、ということを自らに問いかけていたわけです。
 私たちは、利益にとらわれて社会やお客さまに役立つことを忘れて仕事をしていると、不祥事という大きな落とし穴が待っていることを、肝に銘じておかなければならないと思います。

経営道・商人道展示室「経営道・商人道」コーナー
松下幸之助が考える正しい経営のあり方についてご紹介しています

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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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