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館長からのメッセージ

中国からのご来館者
2019年9月

 中国共産党は改革開放40周年を記念する式典を、2018年12月18日に開きました。その式典で、中国に貢献した10人の外国人が表彰されました。日本からは、パナソニックの創業者である松下幸之助と大平正芳元首相の2人が選ばれ、松下幸之助の代理として、孫の松下正幸(パナソニック特別顧問、PHP研究所会長、松下資料館理事長)が出席しております。
 1978年、日中平和友好条約批准のために訪日した当時の鄧小平副首相から松下幸之助に、“中国近代化に協力してほしい”との要請がありました。ほとんどの日本企業が共産国である中国への進出をためらうなか、“中国の近代化に役立つのであれば”という考えから幸之助は快諾し、中国の近代化に尽力をしてきました。そのことが高く評価され、40周年で表彰されたわけです。
 中国では、パナソニック(当時のナショナル)は大変有名であり、その創業者である松下幸之助の名前を知っている人がけっこういるようです。そういったことから、松下幸之助の哲学を紹介している松下資料館には、中国からのご来館者が毎年増え続けています(ここ5年間の中国からのご来館者の推移を表にしています)。みなさん、講話を希望され、大変熱心に聴いていただいております。

2015年度2016年度2017年度2018年度2019年度
671人794人1338人1374人2317人

※2019年度は推定値

 中国からの主なご来館者は、中小企業経営者と社会人大学生に大きく分けることができます。
 中小企業経営者がよく来られる一番の理由は、事業を永続化させるために松下幸之助の事業観を知りたい、ということです。“事業を育てる”“人を育てる”という考え方に、大変関心をもたれています。
 また、社会人大学生はMBA取得をめざす方々がほとんどです。大学では経営学を学ぶわけですが、学問・知識だけで企業経営ができるなら、MBA取得者は全員成功者になることができます。しかし、経営は生き物ですから簡単に成功することは難しいです。そういったことから、大学の先生からは、松下幸之助の生きた経営実践哲学も学ぶことが大事だと言われているそうです。
 松下資料館で松下幸之助のものの見方・考え方に触れた中国の経営者の中には、リピーターとして何度もご来館くださる方がけっこう多くいらっしゃいます。
 私は中国の経営者の意識が、次第に変わりつつあるのではないかと感じています。そのポイントは次の5つがあげられると思います。

 ・経営理念の重要性
 ・素直な心の醸成
 ・人づくりの大切さ
 ・企業の永続化
 ・時代に合った経営

 このような変えてはならない正しい考え方で経営をすることがいかに大事であるかを、中国の経営者が少しずつ気づき始めているように思えてなりません。日本が生んだ松下幸之助の経営哲学がさらに世界に浸透するよう、松下資料館の役割はますます重要になってきたと、心を引き締めなければならないと改めて思う今日この頃です。

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みなさまのご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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