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館長からのメッセージ

困難はチャンス
2018年5月

 平坦な道を坦々と歩める人生であればいいなと思うことがあります。しかし現実は、そう甘くはありませんね。程度の差こそあれ私たち人生には、困難なこと、つらいこと、苦しいことに幾度となく遭遇することがあるでしょう。そんな時、「あ~困った、困った」と嘆いてばかりいたらどうなるでしょうか。次第に心が狭くなり、周りを客観的に見ることができなくなるのではないかと思います。中には、原因も責任もすべて他になすりつけて、不平・不満を言ったり、政治や環境が悪いと社会を責めてばかりいる人もいます。しかし、こうした窮屈な考え方や他人転嫁ばかりしていると、根本的な解決ができないだけでなく、道がひらけなくなり、人生を暗く重苦しいものにしてしまいかねません。
 こうした困難に対しての心がまえについて、松下幸之助の考え方の一例をご紹介しましょう。

 「憂事(ゆうじ)に直面しても、これを恐れてはならない。しりごみしてはならない。“心配またよし”である。心配や憂いは新しくものを考え出す一つの転機ではないか、そう思い直して、正々堂々とこれととり組む。力をしぼる。知恵をしぼる。するとそこから必ず、思いもかけぬ新しいものが生み出されてくるのである。新しい道がひらけてくるのである。まことに不思議なことだが、この不思議さがあればこそ、人の世の味わいは限りもなく深いといえよう。」 松下幸之助著「道をひらく」(PHP研究所刊)

 私たち人間は全知全能の神さまではありませんから、困難に出会えば迷いもするし悩みもします。そして、狭い思考に陥ったり、心弱い状況になりやすいものです。そうした時には、とらわれた心になってはいないかを反省し、素直に謙虚に人の教えに耳を傾けてみることも大事なのではないでしょうか。そこから得るものは必ずあるはずです。また、柔軟に物事を見たり考えたりする能力が人には与えられているはずです。
 「これまでの体験や常識にとらわれて、“これはできない”“これは無理だ”と、自ら決め込んでいないか。白紙に戻して一から考えれば、困難を乗り越える知恵が生まれてくる」と松下幸之助は考えていました。
 困難を新しいステップのチャンスと捉え、自らを励ましつつ、素直にそして積極的に人の教えに耳を傾けてみると、意外と道はひらけてくるのではないかと思います。

松下幸之助の言葉「禍福」講話室の<松下幸之助の言葉>より
「禍福」

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松下資料館 館長 遠藤紀夫

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