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館長からのメッセージ

寛 容
2019年8月

 最近のニュースを見ていますと、宗教に起因する紛争や自国優先によって引き起こされる貿易戦争、さらには他を誹謗・中傷するヘイトスピーチ等々、悲しい出来事が世界中に次つぎとおこっています。世界中で教育が進み、文化が発展しているにもかかわらず、こうした悲しいニュースが毎日流れていることに、人間としてのあり方を考えさせられます。
 松下幸之助の本「素直な心になるために」で紹介されている“素直な心の内容十カ条”に、“寛容”という項目があり、素直な心と寛容について、次のように書かれています。

「素直な心は万物万人いっさいの本当の姿をとらわれなく見つめ、これをともどもに正しく生かそうとする心です。したがって、素直な心になれば万物万人いっさいのそれぞれの良さというか意義というか、価値、長所、そういったものが明らかになるわけです。そしてそのように万物万人いっさいの良さを見ていけば、全く無用のものというか、排除すべきものは何もないことがわかってきます。だからもし仮に、これまでの通念から見て好ましからざるような姿があったとしても、その良さを見、それを生かしていこうと考えれば、それなりの意義というものがわかってきます。だからあえてそれを否定し排除するようなことはせず、寛容の心をもって処していくというわけです。このように、素直な心になれば、万物万人いっさいを許しいれる広い寛容の心というものがあらわれてくるのではないかと思われます」 (PHP研究所発行「素直な心になるために」より抜粋)

 人間は、一人ひとり考え方や特質あるいは能力等が違います。その「違う」人たちが協力しあうからこそ、互いに足らざるところを補い合って私たちは生きていけるのだと思います。中には、意見等で対立する人もあるでしょう。しかし、自分と違うからといって、相手を否定や排除ばかりしていると、けんかや争いばかりになってしまいます。そこに“寛容”の心が求められると思うのです。まずは相手の立場を一端受け入れてみる。素直な心でもって相手のいい点や自分にはない特徴から学べることはないかと考え、生かし合う努力をする。そこに、豊かな人間関係や社会の融和が図られるようになっていくのではないでしょうか。いがみ合いや排除をする前に、寛容の心をもってお互いに違うということを認めあい、いいところを生かし合う、そういう社会をつくる努力を、私たちはしていきたいものです。

素直な心の内容十カ条庭園シアターに「素直な心の内容十カ条」を
掲示しています

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公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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