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経営研究活動

松下幸之助生誕120年・松下資料館創設20周年 記念講演会 「感動が生まれるおもてなしの心」

「極める時代のホスピタリティ ~ミッションが働きを決める」

リッツ・カールトン元日本支社長/現・人とホスピタリティ研究所所長
高野 登氏

みなさんこんにちは。今、谷口さんの話しを聞いていて、ジーンとしてしまいました。打ち合わせのところでも、いろいろ裏話というのですかいろんな出来事をお聞きしてて、えらいところでお話させてもらうことになってしまったなと、ドキドキハラハラして、なおかつ来てる方ってほとんど講師のような方ばっかりだということに気がつきまして、どうしようかなって悩むくらいな思いで立っております。

私は74年に渡米いたしました。20年間アメリカで生活して働いてまいりまして、94年に日本に戻ってきて、それからリッツカールトン大阪の開業の準備に入り、97年の開業という形になりました。アメリカにいたときに一番長く働いていたのがリッツカールトンという会社で一番影響は受けたのですが、その前に働いていたヒルトンからも非常に影響を受け、プラザホテルからも影響を受け、そしてウエスティンホテルからも影響を受け、それぞれの会社がそれぞれのミッションを持っています。

おもしろいもので、このミッションという表現、理念という言い方を僕の場合するんですけれど、私はあえてフィロソフィにつなげて、哲学じゃないかなぁ。そこの会社の働き方、そこの会社の人たちの考え方、そこの人たちの使う言葉、すべては哲学が決めるということに気がつきました。ですからプラザホテルの哲学が、そこで働いている人たちの言葉を決めていきます。どんな言葉で日々を過ごすのか。そしてそれはどんな行動となって現れるのか。それが繰り返されていって、それが会社の中の働くときの習慣になっていくと企業文化、企業風土ができる。これはウエスティンにおいてもリッツカールトンにおいても何ら変わることは無いなということに気がつきました。

と同時に、個人レベルで見たときにもまったく同じことに気がつきました。個人の自分の生き方の哲学を持っていらっしゃる方、例えば松下幸之助翁のような方もそうだと思うのですが、その方が持っている哲学がその方の言葉を決めていくということに、今日もご本いただいて、先ほどパラパラっとだけですけども見た中で、間違いなく哲学がその人の使う言葉を決めているということに気がつきました。

じゃ、それはどういうところから生まれてくるんだろう。先ほども質問の中にもあったようですけれども、それが生まれてくる背景ってどういうところなんだろう。例えばリッツカールトンの創業者、シュルツィという人なんですね。ホルスト・シュルツィといいます。彼はオーストリア系ドイツ人なんですね。ドイツで生まれて、家が非常に貧しかった。小学校、中学校のころから彼はアルバイトしながら家計を助けます。そして高校まで出て本格的に仕事に就く。ところが非常にいい仕事するわけです。その後の片鱗を思わせるような仕事をどんどんやっていくわけです。レストランのウエイターをやっていたんですね。最初はバスボーイで入りました。バスボーイというのはウエイターのお手伝いをするような、テーブルからお皿を下げたりするような、そういう仕事です。そこから彼は入っていくのですが、その仕事が非常に見事なので、そこのキャプテンに「君は非常にいい仕事をしてるな」と。「もしかしたら君はいいウエイターになれるかもしれないから、ウエイターの勉強をしたり、あるいはマネジメントの勉強もしておいたほうがいいから、ホテル学校に行ったらどうだ」というふうにそこのチーフに勧められて、夜間のホテル学校に行くんです。2年間のホテル学校に行って、そこで彼は勉強します。そして2年目のときに卒業論文のようなレポートを書きます。そのレポートのタイトルが『We Are Ladies and Gentlemen. Serving Ladies and Gentlemen』というタイトルでした。日本語にすると『紳士淑女にお仕えする我々も、紳士淑女なんですよ』という、そういうタイトルの論文を書きます。

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