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経営研究活動

松下幸之助生誕120年・松下資料館創設20周年 記念講演会 「感動が生まれるおもてなしの心」

「極める時代のホスピタリティ ~ミッションが働きを決める」


これが起きている会社があります。例えば四国にあるネッツ南国トヨタ。横田さんという、今会長から相談役に変わった、この人がリーダーシップをとっていた。あのリーマンショックの翌年です。ほとんどの車のディーラー屋さんが、60%減、70%減、潰れたところがいっぱいありましたよね。あの翌年に164%達成しています。だから日経新聞の第一面に載りました。奇跡の経営。でもそこの人たちにしてみたら、奇跡でもなんでもないんです。そういう関係をお客様と作ってきたんです。時間をかけて。だから電話がいっぱい入ったそうです。特にその後しばらくして、追い討ちをかけるようにリコール問題が起きました。トヨタさん。

その時にも電話がいっぱい入る。ほとんどのディーラー屋さんには「なんて車売ってくれたんだ」「まともなの持ってとっ換えに来い」とかね。「ふざけるな」とかね「金返せ」とかね、そういう電話がいっぱい入ったそうです。

ネッツ南国トヨタにもいっぱい電話かかってきたんです。「あの報道はひどすぎるよな」「俺の車だいじょうぶだからね」「結構成績大変なんじゃないの?誰か友人も連れて行こうか?」というお客さんがどんどん電話かけてきて、お客さん連れてくる。車のディーラー屋さんで週末に八百人から千人来るんですよ。普通百人から二百人来たら優秀なディーラー屋さんです。八百人から千人来るんです。

みんなが買いにくるんじゃないです、もちろん。整備士の人に、旅行に行ったお土産を届けに来るんです。「だれだれ君、こないだ結婚したんだってな」「お土産持ってきたから、これ旅行に行ったからね、これ持ってきたよ」とかね。「だれだれさんの奥さん、今度子供産まれるんだろ。あそこの神社に行ったから、安産のお守り買ってきたからね」と届けに来る。そういう関係が出来ているから。そういう人たちがどんどんやってくる。リーマンショックの後の百六十数%というのはあり得ない。でもその人たちにとってみたら、普通じゃないですか。驚くことではないですよね。それが当たり前のことになっている会社と、そうではないレベルで当たり前の仕事をしている人たちがいるということです。どこの誰もがやっているおんなじ当たり前の仕事を、どこの誰もが考えられない当たり前ではないレベルでやっている。これができるかできないか。当たり前のレベルを上げていくというのはそこにあります。

他の人がやったら、ここが当たり前だよな。でもある企業に行ったらここまでやったら当たり前でしょう。長野の南のほうにある伊那食品工業という、塚越会長という人がやってますけど、ここに行って、私もう何十回も行ってます。何十回行って必ずチェックするポイントがあるんです。トイレです。何十回行っても、一度たりともシンクに水滴が溜まってるの見た事がない。そして男性トイレというのは、よくポチンと落とすやつがチョコチョコチョコっと見えたりしますよね。これがあったためしがない。だから臭いもない。すごいですよ。そこに張り紙してあります、ちゃんと。男性トイレ行くと。普通「もう一歩前へ」と書いてあるんです。女性知らないですよね。書いてあるんです。「もう一歩前へ」。

そこに行くとなんと書いてあるか。「ピッカピカに磨いてあります。ズボンがくっつくまで前に出ませんか」と書いてあるんです。そう書いてあると触りたくなるんですよね、人って。触っても全然不潔でもなんでもない。臭いもないから。いつもピカピカに磨いてあるんです。それが良く分かるんです。だからお客様がそこに行くと、成長しちゃうんです。礼儀正しくなっちゃうんです。そこにいる人たちに対して、礼儀正しい対応しています。「あれとあれとあれやっといてね」なんて言うお客さん誰もいません。「悪いんだけど、これお願いしていいかなぁ」お客様がそこに行くと成長しちゃうんです。これも「おもてなしの善の循環」と我々呼んでます。善の循環が起きてるんです。

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