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経営研究活動

松下幸之助生誕120年・松下資料館創設20周年 記念講演会 「感動が生まれるおもてなしの心」

「極める時代のホスピタリティ ~ミッションが働きを決める」


あそこの会長が自分でトイレを拭きに行きます。他のスタッフがちょっと気がつかないような場面も、会長が見たときには自分が行って拭いてきます。「高野さん、ちょっとごめんね」といって入っていきます。どうしたのかな?最近会長歳だから、トイレ近くなったのかな?とか思ってたらそうじゃない。すぐ出てきちゃう。あっ、拭きにいったんだ。「会長、これですか?」「ん、ちょっと見ちゃったからね」とか言って。自分でやっています。びっくりしますよ。でもそれがそこの会社の当たり前のレベルなんです。普通にみんなやってます。

そこで何回かお弁当をみんなで一緒に食べるというイベントがあったんです。イベントのときに私もそこに呼ばれて、支給されたお弁当みんなで食べたんですね。すごいのは食べた後みんなで、普通の話しながら何してるかというと、残飯は残飯、これはこれ、全部仕分けして、食べたお弁当の空も全部きちーっと重ねて、食べ終わっておしゃべりが終わったときにはもう全部仕分けできてるんです、ゴミの。あっという間です。わざわざやってるという感じないんです。みんな手が自然に動いてるんです。それが当たり前のレベルになってるんです。

だから自分たちの当たり前のレベルを、どこまで上げることができるか。どこまで極めることができるか。自分の成長ですもんね。それが会社の成長につながっている。会社に対する貢献につながっている。この循環が起きて、人は不幸か。みんな幸せなんです。ここの哲学がぶれていないんです。何ひとつぶれていない。この哲学が何か。いい会社を作りましょう。この会長の、「いい会社を作りましょう」という本は、私がリッツカールトン時代にも何人にも配りました。社内に。「これ読んどいて。これ読んどいて。これ読んどいて」今、改訂版も出ている。また、会長の新しい言葉も少しあります。ほんとにいい本です。私のバイブルでもあります。

これを考えてみるとします。「いい会社を作りましょう」じゃぁ、いい会社とは何か。お客様にとっても、社員にとっても、業者さんにとっても、地域にとっても、誰にとってもいい会社でなければならない。あそこに「かんてんぱぱガーデン」というのがあります。「かんてんぱぱガーデン」にはいくつかレストランが入っていて、みんないい商売やってるんです。でも、ランチしかやんないんです。夜、例えばバスを仕立ててそこのディナーの営業しますといったら、そのバスは満杯になるくらいお客さんがどんどん来るはずなんです。でもやらないんです。なぜかというと、それをやってしまうと伊那の駅の近辺にいる父ちゃん、母ちゃんの居酒屋がみんなお客さんいなくなっちゃうから。そりゃ取っちゃいかん。この地域で仕事させてもらうことの意味は何だ。みんなで考えて、夜はやめましょう。決めてるんです。非常に分かりやすい。

業者さんと料金交渉は一切しない。すべて言い値で買い取っています。これまでそういう信頼関係ができてきているから。そこの会社が我々をだますわけない。我々の会社の何が必要かということが分かっている人たちが、この料金に上乗せして儲けてやろうなんて考えるわけがない。だから「いくらで」と言われても「わかった」。全部言い値で買います。そういう迷いの無い信頼関係を作っていくために、どれだけの時間をかけてきているかということですよね。

だからそちらが苦しいときにもこちらは助ける。こちらが苦しかった時代にも助けてもらう。でも絶対にやっちゃいけないのは相手の犠牲の上にのっとった利益を上げることだけはいけない。料金交渉って何か。相手に損をさせてうちが儲けるということだろう。それはだめだろうっていう、当たり前のことをやってるだけなんです。あたりまえではない。それだけのことですよね。でもそうではない会社が、世の中を見ているととても多いことに気がつきます。

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