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経営研究活動

松下幸之助生誕120年・松下資料館創設20周年 記念講演会 「感動が生まれるおもてなしの心」

「極める時代のホスピタリティ ~ミッションが働きを決める」


今一番熱心に塚越会長のところに通っていただいている方がいるそうです。少し前に日経BPの中でインタビューされてました。豊田章男さんですよね。毎月のように通っているそうです。今、塚越会長のことをお師匠さんと呼んでるんですよね。その中でいろいろ薫陶を受けて、少し前の日経新聞の第一面に「トヨタ、取引先との料金交渉せず」会社始まって以来ですよね。これを読んで塚越会長が大喜びしたそうです。小さな動きかもしれないけれども、こういうことが大事なんだよ。「これ、大英断だよ」すごい喜んでたそうです。すぐに会長の近くにいる、私の仲のいい友人がいるんです。フェイスブックにメールが入りました。「高野さん、会長あの記事どれだけ喜んだかわからない。すっごい喜んだ」でもそういうところから世の中の変化が起きていく。

ほんとに大事なものってなんだろう。ほんとに大切にすべきものってなんだろうということを考えていくと、ものすごいシンプルなことに気がつきます。とってもシンプルなんです。自分らしい哲学を死ぬまで全うしていくということですよね。極めて当たり前のことなんです。たぶんそういうことだろうと、私はまだこの歳で分からないことのほうが多いんですけれども、やっぱり還暦って不思議だなって思うんですね。暦がひっくり返るってどういうことなんだろう。その歳になるまで分からなかったことってあります。やっぱりスタートをもう一回きる覚悟が決まる歳なんだろうというふうに思うんです。

絶対に変えることのできないものって我々の人生の中にありますよね。これですよね。いつの時代に生まれるんだろう。どこの国に生まれるんだろう。誰の子供に生まれるんだろう。なに人に生まれるんだろう。これ、自分で決めることができない唯一の命のあり方なんですよね。どこに命が宿るかというのは自分で決めることができない。そうですよね。

でも宿った命をどこに運んでいくのかというのは、ある程度まで自分で決めていってもいいんじゃないか。パイロットになりたいのか。医者になりたいのか。経営者になりたいのか。野球選手になりたいのか。サッカー選手になりたいのか。自分の命をどこに運んでいくんだろうということは、ある程度は自分で決めてもいい。運命は100%は自分では決められないけれども、ある程度まで決めても大丈夫だろう。そうやって自分の命を運んでいって、ここで自分の命を使ってみようということが見えてきた瞬間が、たぶん使命感が生まれる瞬間だろうと思うんです。ここで自分の命を使おう。これだな。これは若いときだけではなくて、還暦のときにふっと、不思議なもんなんですよね。暦がひっくり返るなという時に、ふっと見えたりします。ここで命を使おう。それをずーっと一生懸命にやってると、おそらくそのうちに天が褒めてくれるんじゃないか。その命でいいんだぞ。その使い方でいいんだよ。なんか天が褒めてくれるときが来るような気がする。

その中で精一杯自分の命を燃やしていると、おそらくある時天が寿(ことほ)いでくれる瞬間がやってくると思うんです。その命でいいんだぞと寿いでくれる。たぶん、こうやって人は産まれて死ぬまでのサイクル生きてくんじゃないかなと思いますね。

で、哲学というのは、ミッションというのは、おそらくこのどうやって命を使うかって、この中でもがきながら悩みながら掴み取っていくものではないかなというふうに思います。伊那食品工業の塚越会長に、この話をして伺ったときに、会長の中で使命感が生まれたのはいつですかって言ったら、若いときにあの方はものすごい大病して、もしかしたらもう仕事復帰無理かもしれないというギリギリのところまで追い詰められます。病室から小さな窓の外を見て、今年はもう桜見れないのかななんていうことを考えたこともあったそうです。そこから復帰したときに自分の中の使命感がすごい明確に見えたそうです。残りの人生かけていい会社を作る。それを次に繋いでいく思いを、自分の中でもっともっと強くした。いい会社を作る。これはひとつの志ですよね、大きな。

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