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経営研究活動

松下幸之助生誕120年・松下資料館創設20周年 記念講演会 「感動が生まれるおもてなしの心」

「極める時代のホスピタリティ ~ミッションが働きを決める」


会長はよく野望と、野心ですよね、野心と志という話をされます。野心と言うのは己一代で成し遂げることができる、やっぱり大きな仕事、事業である。野心と野望というのは、野望という言い方はあんまり私は好きではないんですけれども、野心というのは己一代の中で、例えば自分が名を成したい、そういう思いも含まれている。でも志というのは自分一代ではとてもじゃないけれどもできない。それを次の世代に引き継いでいく祈りのようなものじゃないか。今まさにPHPの中で起きていることってそれですよね。次の世代、次の世代、次の世代に繋いでいく、祈りをどこまで広げることができるか。おそらくそのことではないかと思います。

塚越会長も同じことをおっしゃいます。「自分ひとりで出来ることはこれくらいのもんなんだよ」これくらいでもすごいことやってますよね。でももっともっとこの会社の百年後二百年後を考えた時に、この志を誰がどういうふうに継いでくれるか、そっちを考えなきゃいけない。「でも」とおっしゃいました。「自分にも野心があるんだ」とおしゃってました、会長が。「私でも野心があるんだよ」「会長に野心なんてあるんですか」「野心がある」「どんな野心ですか」「本気になって、会社が社員一人ひとりの成長を支え幸せにすれば、会社は儲かるという事を、自分一代で証明してみたい」すごい野心ですよね。で、これまでのところ証明し続けています。会長が経営を率いる四十数年間、増益増収増員。一度も狂っていません。

しかも「いい会社をつくりましょう」というこの概念でやっていて、何がすごいかっていうと、そこで働きたい人、これがすごいです。毎年10人とか12人くらいの募集をかける会社なんですね。今460人、480人くらいですかね。小さな会社です。伊那地方の、ほんとに山の中の。工場です。十数名採るのに、何通くらいの履歴書が届くか。八千通以上届くんです。八千通以上ですよ。そこで働きたいです。なぜなら「いい会社」だから。そしてもっとすごいのは、その八千通の中で採用できるのは12名。ということは、7,988人落っこっちゃうんです。その落ちてしまう人たちに、丁寧な手紙をちゃんと手書きで書くんです。丁寧に丁寧に書くんです。

「今回こういう機会にご応募いただいて、ほんとにありがとうございます。伊那地方のこういう小さな工場に、こんなに興味を持ってもらってほんとに有難いです。でも小さな会社です。十数名しか採れません。ほんとにご縁がありませんでした。残念です。これでご縁が切れてしまっても仕方がないと我々は思っています。でも、何かの形でこのご縁が更につながっていけば、これ以上の喜びはありません」というような内容の、ちゃんとした2枚つづりの手紙が届くんです、全員に。そうすると何が起きるか。全員ファンになっちゃうんです。落ちていやな思いをする人がひとりもいないんです。全員ファンになっちゃうんです。だからみんなネット販売やら、直接そこに行ったりしたやらでお客さんになっちゃうんです。

で、子供が産まれたら、自分の奥さんと子供連れて行って「パパは昔ここにね、落っこちたんだよ、この会社に」うれしそうに話をしているそうです。「でもその時にすごい手紙もらってね」という話を、「こんなにいい会社ないよ」。落っこちた人が落っことした会社を褒める。普通無いですよね。善の循環が起きているんです。すべて善の循環からスタートするんじゃないかな。このことを意識していれば、自分がその動きを起こすことが出来ますよね。

どうやって起こすか、その話をちょっとだけして、時間が無くなっていきますんで終わりにしたいと思います。『トリムタブ』という言葉があります。トリムタブ。これはスティーヴン・コーヴィー博士とか、ピーター・ドラッカー博士の本を読んでいる方はピンとくる方がいると思うんですけども、トリムタブ。あまり馴染みのない方もいらっしゃるんで、ちょっと説明したいと思いますけど。

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