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館長からのメッセージ

目的を明確に
2020年9月

 みなさんは、報告資料や参考資料をよくつくられるのではないかと思います。こうした資料づくりについて、本当に必要なものかどうかを部下に聞いた松下幸之助のエピソードが残されています。

昭和13年ごろのことである。
毎日のように工場と事務所を巡回していた幸之助が、ある青年社員に声をかけた。
「きみ、その仕事は何をやっているのかね」
「はい、これは販売統計表です」
「その統計表は何のためのものかね」
青年は答えられなかった。
「だれから指示されたのかね」
「主任です」
幸之助は主任を呼び、尋ねた。
「この統計表は何のためのものかね」
主任も的確な回答ができなかった。幸之助は、
「仕事をする場合、あるいは仕事を指示する場合には、必ず目的をはっきりさせていなければいかんよ」
のちに幹部となった社員の入社二カ月目の思い出である。 ※『エピソードで読む松下幸之助』(PHP総合研究所編著・PHP研究所刊)より抜粋

 仕事でパソコンを使うようになって、資料作成が大変便利になりました。図やグラフ等を使用した複雑な資料もわかりやすくきれいにつくることができます。事務作業の多くがこうした資料作成に費やされている、という人も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
 ここで考えてみたいのは、その資料が本当に必要なものなのかということです。とりあえずつくっておこうといった使用目的があいまいな資料、今まで慣習として作成している利用価値の低い資料等が、職場にはけっこうあるのではないでしょうか。仕事を効率化して高い成果を生み出さなければならない今日、時間の有効活用が求められます。
 そうしたことから、資料づくりも使用目的を明確にして、利用価値の高いものかどうかを考え、必要なものだけを短時間で作成できる工夫をしていきたいものです。
 『何のための資料作成なのか』を、今一度見直してみるのもいいかもしれませんね。

『エピソードで読む松下幸之助』『エピソードで読む松下幸之助』(PHP総合研究所編著・PHP研究所刊)
経営図書館の肘掛ソファでゆっくりご覧ください

みなさまのご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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