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館長からのメッセージ

私心にとらわれない
2021年7月

 松下幸之助の著書『素直な心になるために』の中に『私心にとらわれない』という項目があり、「素直な心というものは、私利私欲にとらわれることのない心、私心にとらわれることのない心である」と書かれています。また、松下資料館の映像ブースにある『経営者自身が会社をつぶす』という講演映像の中で松下幸之助は、「経営者に私心があれば会社はダメになる」と語っています。

 普通、私心のない人はいないと思います。もしそのような人がいるとしたら神の如き人ではないでしょうか。私心があるために、独善に陥ったり、感情的になったり、無理をしたりするのが人間です。このような誰もがもっている私心ではありますが、度が過ぎれば問題が起こったり、不幸をもたらすことになりかねません。

●肉親同士の骨肉の相続争い
●利益ばかりを考える法律無視の企業
●利権に目がくらむ政治家

 こうした私利私欲にとらわれ過ぎた私心は、争いで疲弊したり、信用を失ったり、地位を失ったりといったことを招くわけです。しかし私たちは私心を消すことはなかなかできません。松下幸之助も私心を消すことは難しいと言っています。では、どうしたらいいのでしょうか。

●違った考えや立場の人の話を聞いてみる
●今までの体験や狭い知識等の固定観念にとらわれてないか反省してみる
●知らずしらずのうちにたくさんの恩恵を受けていることに気づいて感謝する

 他にも、『私心にとらわれないようにする』アプローチのしかたは、たくさんあると思います。ここで基本として考えたいのは、「とらわれない心で、何が正しいかを考える習慣を持つ」ことではないでしょうか。他人や社会から受け入れられる正しい行動をしているか、信頼される正しい考え方ができているか、と自らを省みる習慣づけをしていれば、ある時ハッ!と、私心にとらわれていることに気づくことができると思います。
 誰しも不幸な生き方をしたくないと願っています。そのためにも、何が正しいかを考える習慣づけをして、「私心にとらわれない生き方」を心がけたいものです。

映像「経営者自身が会社をつぶす」映像「経営者自身が会社をつぶす」
1976(昭和51)年5月10日 名古屋青年会議所5月例会にて講演

みなさまのご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫

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