松下資料館とは

館長からの
メッセージ

悲観より楽観

松下資料館の展示コーナーのパネルに、松下幸之助の考え方を紹介した文があります。

悲観より楽観

楽観か悲観か。心のあり方で、ものの見方が変わってくる。見方が変われば判断が変わり、判断が変われば行動が変わって、おのずと結果も変わってくる。まずはできると信じて取り組もう。そこからよいアイデアも生まれ、成果があがってくる。

 松下幸之助は、小学校4年中退で丁稚奉公をしていたことから、きちんと学校教育を受けることができませんでした。そして身体が弱くよく寝込んでいた人でした。決して恵まれた環境になかった松下幸之助が、なぜ世界的大企業を創ることができたのか、その大きな一因として、「悲観より楽観」という生き方があったのではないでしょうか。
 私たちは物事を悲観的に考えてしまうことが意外と多いような気がします。「自分には無理だ」「あんなことをしなきゃよかった」「あの人がうらやましい」等々、自分を卑下しすぎたり、過去の失敗にこだわったり、他人と比較して気分が暗くなったりして、つい悲観的になってはいないでしょうか。悲観的な思考から物事を好転させるのは難しいと思います。
 最近、『自己肯定感』という考え方が広まってきています。その普及の第一人者である中島輝(なかしまてる)さんは、私の大事な友人の一人です。中島さんがfacebookでアップされている文をいくつか紹介してみましょう。

  • あなたの残りの人生の最初の日が今日。もう過去にこだわるのはやめましょう。過去は昨日の夜終わったのです。くよくよ考えてもしょうがないのです。あるのは夢と希望に溢れた今と未来なのです。
  • どんな状況でも、目標をはっきりと決め、他の物事には目を向けず真っすぐに進むこと、これが目標への一番効率の良い方法。焦る必要はないのです。頑張る日々のコツコツが積み重なっていけば、いつか必ず目に見える結果となり自分の前に表れます。今に集中しましょう。
  • 思い込みや先入観で判断しない。人間関係は切っても切り離せないもの。そのときに大切なことは、相手や物事や出来事にたいして、あなたの価値基準で判断しないこと。同じことでも、人は全員違うことを感じ考え行動しようとしている。自分の心を開いておけば、相手との違いを客観的に見ることができる。人間関係も楽になる。互いの違いを乗り越えて人生を楽しく愉快に生きていこう。
  • 逆境という壁は、乗り越えられる人にしかやってこない。だから、逆境という壁が来たときは、ラッキー!人生のチャンスが来た!と思うこと。
  • あなたは一人で大きくなったのではありません。周囲の人に支えられて大きくなりました。だから、一人でも多くの人を助ければ、あなたにもかえってきます。今日は誰かに3つ良い行動をしてみよう。

 まさに「悲観せずに楽観して自らの人生を歩もう」という素晴らしい考え方を示しておられます。人間は誰一人として同じ人はいないのです。「自分にはできない」と思う必要はありません。他人を羨む必要もありません。「できることが他の人と違う」だけなのです。
 多くの人から支えられて今日まできた人生です。これからも感謝の心をもって、希望を失わずに、明るく広い心をもって歩んでいきたいものです。

花を見ると心が明るくなります

みなさまのご来館をお待ちしております。

公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫