館長からの
メッセージ
自らを励ます
"一年の計は元旦にあり"。年の初めに、「今年はこうあるべき」といった決意を新たにされた方が多いと思います。ところが、「去年の元旦に願ったことは何だったかな?」と忘れてしまった方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
松下幸之助は、「人生も経営である」と言っています。経営であるならば、何のために経営をするのかといった人生における使命感や志を持ちたいものです。自らの人生の意義を明確にして、それに向けて一生懸命に日々努力をすることが「人生を経営する」ということです。
元旦に決意を持つということは、松下幸之助流に考えれば、人生の使命感・志に向けて今年はどういう目標でやっていくかを明確にするということです。その目標を達成するためには、単なる願望ではなく、しっかりとした決意をもって一年を過ごすことが大切です。そこで、どのような覚悟をしなければいけないのか、私の独断でいくつかご紹介してみましょう。
- 決意を信念にまで高める~命をかけるほどの思いになっているか
- 困難や悩みはプラスにつながると考える~苦労をチャンスと捉えて希望に変えているか
- 道は無限にあると考える~わからない事やできない事があれば衆知を集めているか
- 素直な心になって自己観照をする~根源に基づいて何が正しいかを常に考えているか
- 誰にも負けない熱意をもつ~目標達成のために果敢にチャレンジしているか
- PDCA(Plan Do Check Action)をきちんと回す~決意の進捗状況をチェックしているか
こうした覚悟のあり方は人さまざまかもしれませんが、大事なのは年間を通して、"自らを励ます"強固な精神力を持つことではないかと思います。目標達成の過程には大きな壁が待ち受けていることが多々あります。いくら他人から励まされても、本人がその気にならなければ決意は尻すぼみになってしまいます。
自らを励ますにはどうしたらいいのでしょうか。それは、人生の意義・使命を常に意識することです。"人生こうあるべき"といった自らのものさしに触れることによって、"このために頑張るんだ"と自分自身を鼓舞することができると思うのです。
「人生は経営」と考えて、今年一年の決意をする。そして、その目標を達成するために自らを励ます姿勢をつらぬきたいものです。
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公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 遠藤紀夫