館長からの
メッセージ
借金の申し出に、どう答えるか?
松下資料館には多くの経営者が来られます。先日、ある方から、
「松下幸之助さんは、友だちの経営者からお金を貸して欲しい、と言われたら、どうしたのでしょうか」
と質問されました。早速、館内の経営図書館で調べてみると、下記のようなエピソードを見つけました。
「雨が降れば傘をさす」
激しい競争に負けてはならないということから百円で仕入れたものを九十五円で売るとか、集金をキッチリせず、相手先からいわれるままに回収を延ばしておきながら、他から新たに資金を借りようとすることなど、実際によく見受けられます。そういうことではうまくいくはずがありません。~借金をする前に、まず集金に全力を注ぐのがほんとうで、それでもなお資金がいるときに、初めて他から借りるべきでしょう。
『経営のコツここなりと気づいた価値は百万両』(PHP研究所刊)
回収できない理由はいろいろあるのでしょうが、「まずは商売の基本である集金を徹底すべきでは」、という松下幸之助の考えをお伝えしました。
松下資料館のパネルの「商いの心得十カ条」の第九条は「集金と支払いを確実に」となっています。
展示コーナー 経営道・商人道
松下幸之助の言葉より 「商いの心得十か条」
みなさまのご来館をお待ちしております。
公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 後藤淳一