
館長からの
メッセージ
来館者の"小さな思い出"
松下資料館の経営図書館には、松下電器の社内誌やグループ会社の社史、労働組合史など普通の図書館にはない書籍・雑誌が揃っています。
ときどき、そうした珍しい資料を見るために訪れる人がいます。先日、戦中から松下電器にお勤めだったご婦人が来館されました。「昭和30年代に社員紹介ページに自分が掲載されたことがあるので、それを探しにきました」ということでした。たまたま時間があったので、一緒に探しました。しかし発行されたすべての社内誌を保管しているわけではなく、残念なことに見つかりません。いつの間にか雑談に......。
松下幸之助と直接、話す機会がありましたかとお尋ねしたところ、「お膝元の門真にいたのですが、残念ながらお話したことはありません」という返答です。
「......しかし、不思議な体験はあるのです」と当時のことを振り返って話されました。
当時は、5カ年計画の最中です。上司の話は、前年までとは違って、急に高度で難しくなりました。自分だけが理解できないのではと不安になったそうです。不安になると仕事も面白くなくなりました。
そんなとき、たまたま松下社長が壇上で話す機会がありました。それも計画にまつわる話だったのですが、その時は不思議なほどよく理解できたそうです。
『松下社長は、わたしに分かるように話してくれる』。その日から、出社が楽しくなったそうです。
社内誌
みなさまのご来館をお待ちしております。
公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 後藤淳一