館長からの
メッセージ
心根は決まっていまっせ
松下幸之助は一言でいうとどんな人か。
新人の頃、この質問を昭和の初めから幸之助に仕えた長老たちに投げかけた。すると、尋ねた数だけ様々な答えが返ってきて、びっくりさせられた経験があります。
松下幸之助の著作を初期のものから順番に読み取り、重要な箇所をピックアップした谷沢永一さんは、それを『松下幸之助の智恵』という本にまとめられました。その結果、幸之助を「考える人」「智恵の人」「素足の人」「体験の人」「独立の人」と評しました。
立花大亀老師という臨済宗の僧侶は、松下幸之助・松下むめの・井植歳男という3人の創業メンバーと交流があり、思い出を語りました。老師自身は松下幸之助を谷沢さんと同じように「考える人」と評しました。そして、「松下さんは阿修羅であった」とも言っています。
老師の法話をまとめた『大亀禅話』に、松下むめのの幸之助評があります。弟の歳男と対比して次のように語っています。
「あの人は小心翼々としていますが、心根は決まっていまっせ、この人(歳男)のように無茶しまへんで。用心の人でっさかいによろしゅおまっせ」
一番身近な人間だから言えた的確な寸評なのではないでしょうか。

経営図書館に所蔵されている『松下幸之助の智恵』と『大亀禅話』

後列左から松下幸之助・井植歳男・松下むめの、前列はむめのの姉妹
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公益財団法人 松下社会科学振興財団
松下資料館 館長 後藤淳一